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WSDM2016のKeynoteとInvited Talkを俯瞰

WSDM2016では全部で3件のKeynoteと4件のInvited Talkが予定されている。その中から3件、講演者や講演内容等について記述する。

Jeff Dean

講演者情報

1996年にワシントン大学で学位を取得し、1999年にGoogleに入社。現在はGoogle Research Groupのシニアフェロー。 音声認識やコンピュータビジョン、言語理解などに取り組んでいるBrainチーム(機械学習ツールのTensorFlowを2015年11月に公開して話題になったところ)、ディープラーニングチームを率いている。過去にはGoogleのクローリングやインデックス、アドセンスMapReduceBigTableなどの設計および実装にも関わってきた。 WSDM2009、CIKM2014、RecSys2014などでもKeynoteで講演を行っている。RecSys2014でのKeynoteの様子はYouTubeで公開されている。

www.youtube.com

講演内容他

TensorFlowを公開した直後のKeynoteということもあり、TensorFlowを公開するに到るまでの設計思想について話す。他にも、自らが率いるグループの研究成果、特にその成果がGoogleの様々な製品にどのように活かされているかを紹介する。

Yoelle Maarek

講演者情報

学位取得後、1989年から2006年までIBM Researchに在籍。2006年からはGoogleイスラエルのハイファ)に移り、検索エンジンYouTubeでのクエリ補完の研究に従事する。2009年からはYahoo EMEA(欧州・中東・アフリカ地域)でVPを務めている。

講演内容他

WebページやSNSを対象とした検索やデータマイニングの研究は数多く行われてきたが、「メール」が検索やデータマイニングの次なる対象になり得るか、を論じる。 講演者はYahooに移った直後はCQAを研究の対象としていた。具体的には、自分の質問に対して回答が投稿されるかを予測する研究や、人が検索を諦めてCQAで質問をするようになる過程に関する研究などがある。 2014年ごろからは、メールを研究の主な対象とし、メールの自動分類や、将来受け取るメールの予測などの研究に取り組んでいる。WSDM2016でもメールに関する論文を2本発表するなど、メールに関する研究を始めるならまずはこの人の論文を読まないと始まらない、と言っても過言ではない状態。

Mor Naaman

講演者情報

スタンフォード大学で学位を取得し、現在はコーネル大学の准教授。バスケットボールの元プロ選手という異色の経歴の持ち主。 ECIR2013でもKeynoteで講演をしている。

講演内容他

講演者のグループが2008年から取り組んでいる、TwitterFlickrなどのSNSデータからのイベント抽出の研究に関する話をする。ICWSM、CSCW、WSDMを中心にこの研究の発表を行っている。 今回の講演では話さないが、ソーシャルメディアと音楽を絡めた研究、たとえば音楽の多様性に関する研究などにも取り組んでいる。 イベント抽出に関する講演の動画がYouTubeで公開されている。

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